2016年6月14日
泰山一号という品種のザクロは、確か7年か8年前に苗木を通販で購入し庭に植えました。
まだ、日本で発売されたばかりの品種で、中国の楊貴妃が食したとか、女性ホルモン(エストロゲンだったかな?)が豊富とかがセールスポイントでした。
成長が遅く、昨年ようやく花が咲きました。
花は咲いたのですが、ザクロは一実百花(いちじつひゃっか)と言われる果樹です。
一つの実がなるのは、100の花のうち一つだけの割合という意味です。
昨年咲いた花は、上の写真のような、花のお尻部分がとんがっている不完全花というものでした。
不完全花は雌しべがない花で実がならないのです。
遅かれながらネットで泰山一号の情報を調べたところ、なんと
⒈_泰山一号は、日本の気候に適していない。
⒉_泰山一号の果実を収穫したという話がない。
3_八重のザクロは実をつけない。(泰山一号は八重です。花の大きさは、一重の日本ザクロの5倍くらい大きい)
というようなブログ記事ばかりなのです。
今年、一気に泰山一号の花が多く咲き始めました。
1割ほどが、完全花と言われる雌しべを持つ花です。
お尻の部分が丸く大きいです。
なんとか一つでも果実を収穫したいと思い、本やネットに書いて有るように、花の中を綿棒でかき混ぜて受粉を助けたのですが、しばらくするとポトリと落ちるのです。
ある日、花の中を見てみようと思ったのです。
なぜかというと、花びらが八重で、雄しべも雌しべも花びらに覆われて見えないからです。
この画像の花は、すでに中央部分の花びらをちぎった後なのですが、それでも雄しべがかろうじて見えるだけ。
雌しべが見えません。
これでは雄しべの花粉が雌しべに届かないのではと思いました。
おまけに、梅雨の時期に雨にあたってるので、花びらの中はかなり湿気で濡れた状態でした。
そこで、雄しべと雌しべを痛めないように、花びらを全部取りました。
そして、雄しべと雌しべを乾燥させた後で、雌しべに花粉をつけました。
雌しべの頭は湿気ていないと受粉効率は悪いのです。
一方同じ花の雄しべは乾燥していないと花粉が出ないのです。
これは、どんな花でも共通するとおもいます。
雄しべが花粉を出していない泰山一号の場合は、他の花(不完全花も含む)で花粉が出ている花を探して、これを受粉しました。
(次の写真は、受粉して数日後のものですが、花びらをとった状態はこんな風になるということです)
結果は以下の通りです。
(まさに、結果という通り、実を結びました)
2016年7月3日
ひょっとしてだけど、これって実がふくらみかけてるよね!
花びらをとって受粉したものが、写真のとおり、こんなに大きくなりつつあります。
1000円で売りますという意味ではありません。
幼果ですが、他の日本ザクロの幼果と比べると無茶苦茶大きいのです。
2016年7月20日
ザクロ泰山一号の果実がどんどん成長中です。
2016年8月1日
2016年9月21日
今年は台風の当たり年で、昨日は台風16号で大雨でしたが、強風は吹きませんでした。
泰山一号は、大きな実が二つ成長しています。
小さなものが3個ありますが、こちらは木の飾りとして残してあるだけです。
問題は、泰山一号は、日本ザクロのように実が割れないこと(割れないらしい)。
いつ収穫したら良いのかわからない。
とりあえず、10月まで待とうとおもいます。