我が家のポポー
ポポーとは、米国原産の果実です。
日本ではほとんど流通していません。
理由は、柔らかく傷みやすいことがありますが、独特の味が多くの日本人の味覚に合わないことも大きな理由ではないかと思うのです。
「森のカスタードクリーム」というキャッチフレーズでポポーの苗が販売されていますが、ちょっと美化しすぎだと思います。
と、若干否定的な書き方をしてしまいましたが、我が家にはポポーの木が3本あリます。
4本あったのですが、大きくなってきたので1本はご近所に差し上げました。
品種は、「スウィートアリス」、「シェナンドー」、あと品種がわからなくなった1本。
ポポーは、一本だけでは果実が実らず、他の品種と交配が必要なのです。
木の高さは、剪定して3メートル弱にとどめていますが、放置しておくと10メートルもの大木になるらしいです。
3メートルというのは、脚立に登って安全に人工受粉する限界かなと感じています。
自己流の人工受粉方法
ポポーは、3月末ごろから、細い枝に茶色の花芽が膨らみ始めます。
写真の右側の茶色の膨らみが花芽で、成長すると左側のような、はっきりした花芽になります。
さらに4月中旬にはどんどん花芽が大きくなり
この緑の花の中は、こうなっています。
緑の丸い部分が雄しべ。
丸いところから突き出ているのが雌しべです。
ポポーがやっかいなのは、
違う品種の花粉が必要ということだけでなく、
一つの花で、メシベとオシベが時間差で成熟するということです。
メシベが受粉できる時には、オシベ(花粉)がまだネンネなのです。
メシベが枯れたころ、オシベが花粉をどっさり出すのです。
花粉を運ぶ昆虫が多く飛んでいる場所なら、放置しておいても受粉すると思いますが、私の家の場合、春になったばかりでそれほど昆虫も多くない時期なので、人工的に受粉をしています。
緑の花がチョコレート色に変わるのにせいぜい2日から3日と早いです。
完全に茶色になってしまうと、メシベは枯れて受粉できなくなります。
したがって、緑からチョコレート色に変わりかけくらいのタイミングでメシベに花粉をつけるのです
このメシベにつける花粉は、別の品種のメシベが枯れて、オシベが花粉を出している花から花粉を取り出します。
綿棒とかツマヨウジのような細い棒でオシベをつつくと、パラパラと花粉のう(花粉が入っている袋)が多数取り出せます。
上記画像のメシベは、すでに人工受粉した後です。
メシベの先に、花粉のうがくっついています。
私は、花粉をスプーンに取り出します。
すると、花粉のうから、白い粉のような花粉が飛び出していることがわかります。
いろいろ試してきましたが、スプーンを直接メシベに押し当てた方が、確実にどっさりと、花粉を着けることができます。
自己流なので、もっと別の方法もあるかもしれません。
固い花びらを指で開いて、メシベを出して、スプーンの上の花粉をメシベの先にくっつけます
一方、うまく受粉できなかった花は、枝からポロリと落ちてしまいます。
このまま、全てが成長するわけではなく、樹の大きさなどにより自然に実が落ちて、樹の大きさに似合った数が残ります。
残った果実は、どんどん成長して大きくなります。
実の大きさは、200〜300グラムと大きくなりますが、結構しっかり枝に付いています。
私は台風など樹が大きく揺れる恐れがある場合、実のついている枝を細いロープで固定しています。
夏が終わるころ、細い枝に不似合いなほど大きく成長しています。
ポポーの実は、時期が来ると勝手に落ちます。
毎朝、樹の下を見る必要があります。
参考になりましたでしょうか