茨城県南西部の常総市と坂東市にまたがる場所にある菅生沼
菅生沼は、南北5.5㎞と長く、幅はわずか0.4㎞という細長い湿地帯です。
沼の南側を下沼(しもぬま)と呼び、大きな池があります。沼に接して「茨城県自然博物館」があります。
沼の北側を上沼(かみぬま)と呼び、小さな池が点在します。
沼は、木々や葦などに囲まれて、池部分に近づくのは困難です。
池に近づける場所は、南側(下沼)は、茨城県自然博物館の
敷地だけ。
北側(上沼)は、1カ所だけ白鳥観察地点に駐車場があるだけです。
コハクチョウは毎年11月に飛来し、3月初めに旅立つ
コハクチョウは、11月から飛来が始まり、12月には300羽前後の大群になります。
飛来した直後は、全身真っ白。まさに白鳥。
なのですが、飛び立つ3月が近づくにつれ、首から上が黒く汚れてきます。
菅生沼の浅い池に首を突っ込んで餌を食べるため、汚れてくるのです。
30年にわたる餌付けの成果
この菅生沼の白鳥は、今でこそ有名な白鳥飛来地となっていますが、30年間もの間、個人のご夫婦が餌付けをした結果なのです。
飛来が始まる11月から飛び立つ3月初めまで、毎日朝夕2回、大量のパンくずを与えています。
全て個人負担だということで頭がさがります。
茨城県の各所で個人で努力されている方と話をして共通するのは、県や市町村などからの援助が一切ないということです。
そして、お話の最後に言われるのは、今さら援助などない方が良いという言葉です。
観光人気度全国最下位になっても仕方がない。
白鳥は北側(上沼)に多い
コハクチョウは、菅生沼に毎年300羽前後が飛来します。
コハクチョウを見ようと、「茨城県自然博物館」に行く方が多いのですが、実は南側の下沼では午後(夕方日暮れ前)にならないと、なかなか姿を見ることができません。
夜を下沼で過ごし、朝から夕方までは、ほとんどのコハクチョウは、北側の上沼にいます。
数羽ずつグループで鳴き声を出し始めると飛翔の準備
寝ていたコハクチョウが、徐々に起きて、池の中央に集まり始めます。
首をまっすぐ立てて、子犬が泣くような、クーン クーンという鳴き声が数羽のグループで交換されます。
準備はいいか! いいよ!と確認し合っているように聞こえます。
突然一羽が水面を滑走し始めると、その後に数羽が後を追って飛び立ちます。
飛び立つときは、風に向かって滑走をはじめ、上空に上ると、方向を変えるのです。
行き先は、たいてい南にある下沼方面です。