33の祭が「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録
2016年12月1日に、日本の33か所の祭が「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
日本の祭を撮影してきている私にとっても、嬉しい話です。
一方、33か所の祭のうち、まだ約半数しか見ていないということにショックも受けました。
今回登録された祭で、まだ行ったことがない場所の開催日を調べたところ。栃木県の山あげという祭が、ユネスコ登録記念として特別開催されるということがわかりました。
「冬の山あげ」に行ってきた
栃木県の「烏(からす)山の山あげ」は、例年7月に開催されます。
今回は、祝賀行事として特別に12月11日(日)に、1日限りで開催されました。
祭の山あげという名の由来を調べる余裕もなく訪問したのですが、現地で祭を見て、山あげの意味がわかったのでした。
烏山山あげの全てを見るには6年かかる
那須烏山市のJR烏山駅の周辺の町で開催される山あげには、六つの町が参加します。
毎年当番町が変わり、その年の祭は、一つの町内だけで担当します。
町内ごとに出し物が違うので、山あげの出し物全てを見るのには6年かかるのです。
今年は「金井町」という町内が当番でした。したがって、今回の「冬の山あげ」祝賀開催も金井町が当番でした。
したがって、以降の画像はすべて金井町のものになります。
山あげの意味がわかった準備風景
「山あげ」とは、JR烏山駅の近くにある「八雲神社」の祭です。
今回は特別開催だったせいか、八雲神社には祭の気配はありませんでした。
今回は、JR烏山駅の駅前通りで開催されました。
7月の本祭りの時は、一つの屋台が市内10か所以上で移動しながら開催されるそうです。
駅に向かい道を歩いていたら、太鼓の音が近づいてきました。
見事な山車を先頭に、その後ろには、巨大なガマの人形が。
そのさらに後ろには、材木を積んだ台車が続くのですが、この台車が突然に全力で引っ張って走り出したのです。
おそらく、7月の本祭りの時は、1日で数カ所の公演を行うために、このように走って移動するのでしょう。
駅前通りの所定の場所に着いた後、舞台の組み立てが慌ただしく始まりました。
舞台の組み立ての後方では、およそ10メートル間隔で多数の祭関係者が慌ただしく大掛かりな物体を組み立て始めました。
舞台のすぐ後ろには、ガマの人形と仕掛け舞台
その後方には、大道具と呼ぶような舞台セット。
正式には、前山、中山、大山と呼ぶそうです。
これらの山を皆で力を合わせて立ち上げるのです。
これが、「山あげ」の名の由縁か!と納得したのです。
有料観覧席は、なんと200円
駅前で、有料観覧席の券が販売されると聞き購入しました。
1000円くらいかななどと想像していたら、なんと200円。
(2017年7月追記:有料観覧席は、解説書付きで500円になっていました。)
舞台が始まってわかったのですが、舞台は両側の歩道か観覧席の後ろのどこからでも見える。
初めての祭は、こういう経験がロケハン(現地確認)になのです。
私は、午前の公演は有料席に座って、午後は立ち見で見ました。
撮影が目的なら、立ち見の方が良いと思います。
芝居の題名は「将門」
当番町である金井町の舞台は「将門」。
あの平将門(たいらのまさかど)の娘である滝夜叉姫(たきやしゃひめ)が妖術を使うという物語です。
舞台役者は若者たち。
玄人(くろうと)とも思えるほど見事な演技に感動しました。
また、即席で組み立てる移動舞台とは思えない舞台セットにも驚きました。
動画も超短縮したものを掲載しておきます。
祝賀花火大会
今回は、ユネスコ無形文化遺産登録祝賀として花火大会がありました。
7月の本祭りでは、夜も舞台公演があり、花火大会はないということで、地元烏山の方々も花火大会を楽しみにされていました。