鬼が一夜で積み上げた石段を登る
大分県の磨崖仏(まがいぶつ)または石仏と呼ばれる場所を数ヶ所巡ってきました。
最初に訪れたのは、豊後高田市にある熊野磨崖仏です。
ここは10年ぶり3度目の訪問です。
私の奥さんは、なぜ同じ場所に何度も行くのかといつも言います。
理由は、前回満足のいく写真が撮れなかったからです。
今回はどうだったかというと、今回もダメでした。
理由は、後半で。
この熊野の磨崖仏を拝観するには、険しい石段を登らなくてはなりません。
この石段、鬼が一夜で積み上げたという伝説がある、急勾配の荒々しい石段です。
私の場合、写真を撮りながら登るので、それほどしんどくはないのですが、休まず登るにはかなりしんどい。
今回、私が下山した駐車場ですれ違った、10人ほどの紳士の団体がいました。
スーツを着て、ビジネス用の革靴。年齢はおそらく60歳前後。
結局、石段を見て引き返してきました。
タクシーの運転手さんに、「無理!」と言っていました。
信心を石段で見る磨崖仏とは、こういうことなのね。
岩壁に掘られた巨大な二体の磨崖仏
鬼の石段を登りきると、そこの岩壁に巨大な石仏が掘られています。
左側は不動明王の像で高さ約8メートル、右側は高さ約6.7メートルで大日如来の像ではないかと言われています。
左側の不動明王像は、平安時代の作と考えられており、かなり風化が進んでいます。
右側の大日如来像は、くぼみの中に掘られていることと、平安時代より後期に作られたと思われることから、かなり原型をとどめています。
さて、今回も撮影に満足できなかった理由は、画像を見ていただければお分かりのとおりです。
この磨崖仏に向かっている車中にいた時は、曇りだったのです。
しめしめ、曇りだ!と喜んでいたのですが、到着した時には晴れてしまったのです。
二体の磨崖仏は、不動明王には明るい太陽が降り注ぎ、大日如来はくぼみに加えて木々の影が黒々と影を作るのです。
ここまで影が濃いと、カメラのHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)機能を使っても木陰を明るくできませんでした。
結局、photoshopのお世話になりました。
でも、やはり不自然だなぁ。