脚折雨乞は、四年に一度開催される
埼玉県鶴ヶ島市で、今年(2016年8月7日)、脚折雨乞(すねおりあまごい)という祭りがありました。
わざわざ今年と書いたのは、この祭りは四年毎に行われるからです。
隔年で開催される祭りのことを、式年祭と言います。四年毎、六年毎、十二年毎など全国には式年祭はいろいろあります。
四年前にこの祭りを見た知人から、良かったよと言われたがのですが、次は四年後とわかってガックリしたものでした。
四年待って、先日ようやく行ってきました。
脚折雨乞の由緒
江戸時代、この地、脚折村(すねおりむら)は雨が少なく百姓は苦労していた。
雨が降らない場合、雷電池(らいでんいけ)の脚折雷電社に雨乞のお参りすると、必ず雨が降った。
ところが、田を造るため雷電池を埋め立てて小さくしたところ、雨が降らなくなった。
それは。雷電池が小さくなったため、住んでいた大蛇がいなくなったことが原因だった。
大蛇は、群馬県板倉村の板倉雷電社の雷電池に移ったため、脚折村の村民は、板倉雷電社にて雨乞祈願をして池の水を持ち帰ったところ、雨が降った。
この雨乞祭りは昭和39年(1964年)で途絶えたが、昭和51年(1976年)に、保存会により復活された。
脚折雨乞の概要
鶴ヶ島市脚折町の白鬚(しらひげ)神社の境内横の道路に、巨大な龍蛇(りゅうだ)が置かれています(地図では。緑色の線)。
この龍蛇は、長さ36メートル、重量約3トン、頭の高さ4.5メートルという大きなものです。
午後12時半から龍蛇の前で神事が行われ、入魂の儀式が行われると、龍蛇は龍神になります。
午後1時。龍神は、300人の担ぎ手により、雷電池に向かって約2㎞の道のりを進みます。
雷電池に向かう途中には、ミニ龍蛇が3頭います。
このミニ龍蛇は、一足先に雷電池に到着し、3頭が池の中に入るのです。
このミニ龍蛇を担ぐのは、地元の子供達です。
午後3時。
巨大な龍神が雷電池に到着します。
最初に。池に御神水が注がれます。
その後、龍神が池に入るのですが、これがでかい。
最初に池を3周回ります。
その後、一旦休憩時間があり、祭り関係者の紹介などがあります。
休憩の後、龍神は池を2周回り池の中央に一直線に停止します。
いよいよ龍神が天に昇るのです。
何が起きるのかと思っていたら、合図と共に300人の担ぎ手たちが龍神に駆け上り、解体が始まりました。
特に、頭の部品取り(ツノ、目、鼻 など)は凄まじい勢いの競争です。
しばらく経つと、池の水面は解体された稲藁(わら)で覆い尽くされていました。
この藁を持ち帰ることで、ご利益が得られると、ひと束を持ち帰る観客が多数いました。
蛇が龍になるという信仰
蛇を祀る信仰は、日本全国にあります。
普段は忌み嫌う蛇を何故信仰するのかと不思議に思いますが、蛇が龍になるという、将棋で言えば「歩」が「金」になるというロマンなのかなと感じます。
京都に山の神という大蛇信仰がありますのでご参考まで。
「美しい日本、この一枚」過去ブログ_山の神
http://kono1.jp/festival/festival1683
脚折雨乞の開催場所