数年ぶりに、おわら風の盆に行ってきました。
ほぼ徹夜に近い二泊三日の旅行だったので、帰宅してからぐったりしていました。
今回、一回きりのダイジェスト版でコンパクトに報告します。
「おわら風の盆」にいつか行きたいという方の少しでも参考になればと考えています。
事前知識がなければ、最悪は踊りを見ることができない
今回も、「どこで踊りを見ることができるの?」
「せっかく来たのに、踊りを見ることができない」
「観光バスの発車まで1時間しかないのに、どこで踊りがあるのかわからない」
というご婦人方の不平不満があちこちで聞こえてきました。
理由は、坂の町「八尾(やつお)」の広いエリアで11の町に分かれてそれぞれ踊りがあることです。
今回は、どこそこのエリアを見ようと決めておかなければ、歩き疲れて足が棒になってしまいます。
そのためには、おわら風の盆運営実行委員会のホームページで、祭りのスケジュールを綿密に見ておくことをお勧めします。
このホームページの情報が一番役立つはずです。
おわら風の盆運営実行委員会の公式ページ
http://www.yatsuo.net/kazenobon/guide/downroad/guidemap.pdf
地図で地形を知っておくと便利
私は、今回三度目の訪問でした。
一度目の時は、駐車場から会場まで、重たいカメラ機材を持って徒歩で歩いて大変な目にあいました。
右上が唯一の駐車場です(八尾スポーツアリーナ)
地図中央にJR越中八尾駅があり、地図下が風の盆メイン会場になる場所です。
赤い線を引いている道路で町流しの踊りを見ることができます。
また、おわら演舞場では有料で舞台踊りを見ることができます。
この赤い線の道路をさまよっていても、時間帯を知らなければ踊りに遭遇できません
同じ場所で撮影した夜景です。
祭りのぼんぼりで綺麗ですが、夜道を歩くと方向がわからなくなります。
昼間の風の盆
今回のダイジェスト版は、JR越中八尾駅に到着したところから始めたいと思います。
越中八尾駅です。
駅の跨線橋には、風の盆のレリーフが4枚ありました。
そのうちの一枚です。
駅の改札を出たところは、「福島」と呼ばれる町内。
9月1日から3日までの3日間、午後3時頃から5時まで、駅前一帯で「福島」の風の盆を見ることができます。
夜7時から、踊りが再開される
夕刻5時から7時は、踊り手たちの休憩時間になります。
午後7時から再開されるのですが、初めて風の盆を見に行かれるのであれば、演舞場で「舞台踊り」を見ることをお勧めします。
道路の流し踊りは、観光客があっという間に取り囲んで、背の低い女性たちには何も見えないという可能性が大なのですが、演舞場の舞台踊りは町流しでは見ることができないフルバージョンを見ることができます。
11ある支部が、9月1日(5支部)と2日(6支部)に分かれて舞台踊りを披露します。
ローソンなどで事前にチケットを予約しておいたほうが確実です。
今回は、「鏡町」に絞って観覧した
昼間の町流し踊りは、観客も少なく、比較的楽に見ることができるのですが、午後7時以降になると、大変多くの観客が集まります。
各町内(支部)の多くは、道路で踊りを披露するのですが、どこで踊りが始まるのかいまだによくわかりません。
三味線とおわら節の歌が遠くに聞こえると、観客は皆さん急ぎ足で音の聞こえる方に行くのですが、着いた時には人がきが何重にも取り巻いていて、ほとんど踊りが見えません。
観客の誘導や整理もほとんど行われないため、ラッキーな人か、かなり強引な人しかまともに見ることができないのです。
ということで、私は最初から今回は、「鏡町」に決めていきました。
なぜかというと、「鏡町」は「おたや階段」という階段を下った場所(広場)で踊ることがわかっているからです。
そして、観客の誘導や整理が徹底しているのです。
おたや階段から見る観客に対しては、一人でも多く座れるように詰めて座ることを指示します。
広場の観客には、前の人は座るように指示します。
見る場所も、黄色いテープが貼ってあり、わかります。
誰も文句など言わず、踊りが始まると誰もが良く鑑賞でき満足します。
そして、「鏡町」の踊りには特徴があります。
「鏡町」は八尾の花街だったという歴史があることもあり、踊りに艶があるのです。
踊りの最後の場面では、男が女の肩に手をかけ、遠くを見つめるという場面があるのです。
踊り手たちは、男女共に二十歳前後(中高生も混じる)のですが、引き込まれてしまいます。
このポーズは「鏡町」だけと思っていたところ、上記舞台踊りで「天満町」で同じようなポーズがあり驚きました。
地元のかたにお聞きしたところ、「鏡町」が人気があることもあり、他の支部でも若い踊り手たちから自分たちもやりたいとの要望が出て、幾つかの支部で取り入れ始めたとのことでした。
この新しい踊り方を、「新(しん)」と呼んでいるそうです。
風の盆の踊りの振り付け自体が昔から変遷してきていることもあり、これからの若い踊り手たちが、新しい踊りを開いてゆくのでしょう。
深夜の町流し
各支部の踊りは、午後11時頃には終了します。
帰りの交通手段もあり、それまでの人混みは消えてしまうのですが、一部の人たちは、路肩の椅子などに座って何かを待っています。
地方(じかた=唄、三味線、胡弓)の人たちの深夜の町流しを目撃できるかもしれないという期待で残っているのです。
私は今回、深夜2時を過ぎてから、二つの町流しに出会うことができました。
諏訪町にて。
越中八尾駅の始発電車お見送り
知る人ぞ知るのは、JR越中八尾駅から始発電車で帰る人たちを、踊り手たちが、編笠をつけない姿で「お見送り」するということです。
始発電車は富山行き(朝5時40分)、猪谷高山行き(朝6時2分)です。
始発電車には、風の盆を深夜まで楽しんだ人たちが大勢乗車します。
改札を待つ行列です。
越中八尾駅に始まり、越中八尾駅から帰る、おわら風の盆の1日でした。
「風の盆」のブログ過去記事はこちら
越中八尾おわら風の盆 (その1_風情ある八尾町)
http://kono1.jp/festival/festival5143
越中八尾おわら風の盆 (その2_午後の風景)
http://kono1.jp/festival/festival5175
越中八尾おわら風の盆 (その3_おわら節に欠かせない胡弓)
http://kono1.jp/festival/festival5187
越中八尾おわら風の盆 (その4_有料の演舞会は必見)
http://kono1.jp/festival/festival5207
越中八尾おわら風の盆 (その5_町流しは、追いかけるより待つ)
http://kono1.jp/festival/festival5212