東京都台東区 浅草寺の”亡者送り”は、ものの数分の行事

三社祭(さんじゃまつり)で有名な浅草寺(せんそうじ)で、毎年1月18日に、”亡者送り(もうじゃおくり)”という宗教行事があります。

これは、同寺で1月12日から7日間続く「温座秘法陀羅尼会」という宗教行事の最後を締める行事です。

毎日何万人という参拝者が、雷門(かみなりもん)から参道の仲見世(なかみせ)を通って、宝蔵門をくぐって本堂でお参りするという、とても賑やかな寺ですが、壁で仕切られた本堂の中では、神聖な儀式が進行しているというわけです。


1月18日夕暮れ時、浅草寺の境内は、相変わらずすごく賑わっています。
本堂から、宝蔵門を見た景色です。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


本堂に途切れなく参拝者が吸い込まれて行きます。
この1時間後の18時に、”亡者送り”が行われることを知っている人は、1%いるかいないかでしょう。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


浅草寺の境内の中には、”亡者送り”が行われるということは、大きく表示されていません。
勘の良い人は、カメラマンが本堂の中などで動かないで何か待ってるなと気づくひとがいます。
17時半ころから、宝蔵門から本堂への通路が交通規制となります。
このころになって、何か始まるのかとわかるのです。

18時、宝蔵門から本堂の中まで、照明が消えて真っ暗になります。
その中、本堂の格子戸が開かれ、奥から二人の鬼が松明(たいまつ)を持って現れます。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


私Takataroは、極力ストロボは使いたくないのですが、今回は迷いました。
ストロボを使うと、ISO200、シャッタースピード100分の1秒くらいの設定に。
ストロボを使わない場合は、松明の明かりが暗いと写らないため、ISOを6400まで上げることも考えました。
待つ1時間の間に、考えが二転三転。
結局、失敗の可能性の少ないストロボを利用することにしました。
これがその写真
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


これは、ストロボが充電する前にシャッターを押したため、発光しなかった写真。
松明が明るく、目の前1mであったため、ISO200でも結構綺麗に写っていました。
この2枚、どちらが好みかは、見る人によってそれぞれでしょうね。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


鬼たちは、早足で本堂を出ると、階段を駆け下り宝蔵門に向かいます。途中にある線香台の周りを周ります。
松明で地面を叩きながら、厄払いの清めを行います。

東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日

東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


鬼が地面を松明で叩いた後には、松明の小さな破片が落ちます。
これを家に持ち帰ると厄払いになるため、火のついた破片を入れる容器と懐中電灯持参の人もいました。

東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日

東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


鬼たちは、その後、浅草寺境内のはずれにある”銭塚地蔵堂”という小さな祠(ほこら)の地面に掘られた穴に松明を投げ込んで、行事が終わります。
本堂から鬼たちが現れて、ほんの数分間の出来事です。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


役目を終えた鬼の役をした男性たちは、ホッとした顔つきになっていました。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日

東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


カメラ機材を片付けているうちに、浅草寺の境内から参拝者の姿も減り、屋台も閉じられて静寂になっていました。
この日、東京スカイツリーは青く輝いていました。
東京 浅草寺 温座秘法陀羅尼会 鬼 亡者送り 2月18日


浅草寺の亡者送り解説ページ
http://www.senso-ji.jp/annual_event/onzadaranie.html


浅草寺の場所
浅草寺
〒111-0032 東京都台東区浅草2丁目3−1

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