初夏の田園風景を撮影しようと、カメラを持ってフラリと出かけました。
私が住む茨城県守谷市は、つくばエクスプレスが10年ほど前に開通して以来、若い家族の転入が多く、人口急増している街です。
日本の住みやすい街ランキングで上位にも入っています。
それでも、市街地から一歩踏み出せば、関東平野の田園風景が広がります。
守谷市は、平将門(たいらのまさかど)に由来する、守谷城跡があります。
今は小高い丘に木が生い茂っているだけです。
その周囲は低地で今は田んぼが広がっていますが、守谷城ができた頃は、この低地部分は巨大な沼というか川のような状態だったのです。
私は、カメラを持ってこの守谷城跡の近くで「古代蓮(こだいばす)」の繁殖地の状況を見に行ったのです。
古代蓮は、まだ葉が出てきたばかりで、花が咲くのはまだ先という感じでした。
ついでに、近くの田園を散策していると、稲が植えられたばかりの水田の中に、蓮らしき大きな葉が見えるのです。
「あそこにも、古代蓮を植えたのかな」と思い近くに行きました。
作業をしていた中村さんに「古代蓮ですか?」と質問したところ、なんと、「休耕田を利用して、食用のレンコン栽培を始めた」との答えに驚きました。
中村さん曰く、霞ヶ浦のレンコン栽培農園で修行を積んで、今年から守谷でレンコン栽培を始めたということでした。
私は、レンコンの花(蓮の花)が咲いたら写真を撮りに来たいとお願いし、何色の花が咲きそうかと聞いてしまったのです。
中村さんは苦笑いしながら、「食用のレンコンの花は白しかない。ピンクなどの花が咲いたら、それは食用に適さない上に、生命力が強いので食用のレンコンを駆逐してしまう。見つけたらすぐに取り除く」という話でした。
何十年も蓮の花を撮影してきて、初めて知った話でした。
そういえば、霞ヶ浦の広大なレンコン畑には色付きの蓮の花が滅多になかったことを思い出しました。
中村さんのレンコンが、守谷の名物になる日が来ればいいなぁ!