京都市東山区 蹴上インクラインとは何だ

皆さんは、京都のインクラインってご存知ですか?
私は、現地を観るまでは、全くイメージできませんでした。
インクライン01
江戸から明治になり、京都御所にお住まいだった天皇家が東京にいかれてからは、京都は栄華を失ったように寂れていったそうです。
その京都を復興させるために、様々なイベントが計画されましたが、そのひとつが琵琶湖疏水(びわこそすい)です.

琵琶湖疏水は、山科(やましな)の山にトンネルを掘って、京都に琵琶湖の水を持ってくるという一大プロジェクトでした。
なぜ、京都に琵琶湖の水が必要なのか?

ひとつには、滋賀県から物資を京都に持ち込むには、山科の峠越えが必要でしたが、琵琶湖の水が川のように京都に続けば、船で運べること。

二つには、琵琶湖の水面は、京都市街より標高が高いため、琵琶湖の水を京都でダムのように落とせば、水力発電が可能。

上記画像のトンネルは、琵琶湖の水面と同じ標高の京都側の出口で、蹴上(けあげ)という地名の場所です。京都市街地より20mばかり標高が高い場所になります。
右側のレンガ造りの建物は、発電所跡です。

インクライン02
このトンネルを通って、物資を積んだ高瀬舟(たかせぶね:底の平たい舟)が滋賀県から到着すると、物資を積んだまま台車に乗せられ、ケーブルカーのように長い緩やかなスロープを下って、京都市街を流れる琵琶湖疏水まで運ばれます。

インクライン03
標高の異なる場所を、スムーズに接続する仕組みをドイツ語でインクラインと呼ぶとのこと。

この長いスロープは、今は使われていませんが、自由に通行が可能です。京都の桜名所のひとつです。
このインクラインの発電所の電力により、京都で日本初の電車が走りました。

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