5月3日前後に、諏訪大社上社の里曳きが行われることを前回ご紹介しました。
(前回を見る方は。このページの下の方に、前回ページに移動する矢印があります)
里曳きで、上社前宮の境内に曳き込まれた御柱は、翌日から境内所定の場所に垂直に立てられます。
これを、建御柱(たておんばしら)の儀といいます。
今回は、1本の御柱が建ち上がるまでを順番に説明したいと思います。
上社前宮の1本目の建御柱です。
この御柱を山から曳いて来た多くの町の名が書かれています。
御柱には角のような「めどでこ」がついたまま、大歓声のなか運ばれてきます。
ここで、「めどでこ」が取り外されます。
次に、御柱の頭になるところを、三角錐になるようオノで切り落とします。
冠落しといいます。
近くに多くの氏子が集まっているのは、オノで切り落とされた木っ端(こっぱ)を厄除けとして持ち帰るためです。
なぜなら、この御柱は垂直に立ち上げられたのち神になるからです。
いよいよ、建御柱の開始です。
御柱は、このような塔を使って多数のワイヤーロープで建ち上げます。
白装束の氏子が、御幣(ごへい)を持って現れます。
この御幣は、御柱が垂直に建ちあがったときに、御柱の頂上に打ち付けられます。
長さ19メートルの御柱がゆっくりと建ち上がります。
大勢の男衆が、柱にしがみついています。
建ちあがった御柱の頂上から、垂れ幕が降ろされ、色とりどりのテープが投げられます。
地上では、お祝いの餅撒きです。
上記の動画を掲載しておきます。
甲子園の高校野球の応援団のような賑やかさが伝わればと思います。
取り急ぎ、上社の建御柱を1本だけご紹介しました。
実は。この日(2010年5月4日)他の建御柱の撮影中に事故があったのです。
垂直近くに建ちあがった御柱でしたが、突然バチッという鈍い音がして、御柱が揺れたのです。
ワイヤーロープが切れたのです。
御柱にしがみついていた2人の男性が落下し、死亡しました。
ご冥福をお祈りします。
鋼鉄のワイヤーロープでさえ切れることがあるということは、ワイヤーロープがなかった時代には、どれだけ危険な祭だったのかと思わざるを得ませんでした。
次回は、下社の木落しをご紹介しますが、こちらも超危険な行事なのです。
私Takataroが見てきた日本の祭のなかで、一番危険かもしれません。
建御柱は、下記手作り地図の右下、諏訪大社上社前宮で行われます。