10基ある鉾の中で、唯一、真木(しんぎ)と呼ばれる、東京スカイツリーのような柱がないのが「船鉾(ふねほこ)」です。
「くじ取らず」といって、毎年23番目に並ぶことが決まっている鉾です。
この「船鉾」は、特に人気があるため、鉾建て風景をご紹介します。
まず、土台の組み立てから始まります。
釘(くぎ)などは使わず、荒縄で縛りながら組み立ててゆきます。
この、美しい縄目を見るのも、祇園祭の楽しみの一つです。
17日や24日の山鉾巡行が終われば、終着場所で、直ちに解体されます。
このとき、切り取られた荒縄を家に持ち帰ってお守りにする習慣があります。
組み上がると、船の形が分かります。
鉾立てが始まると、路地のあちこちに、このような風景があり、写真好きにとっては、心躍るときです。
夜になると、前懸(まえかけ)や、胴懸(どうかけ)と呼ばれる、古くから伝わる豪華な掛け物等で装飾され、周囲を柵(さく)と提灯(ちょうちん)で囲みます。
ほとんどの山と鉾は、町会所の前の道路で組み立てられます。山や鉾の部品が、町会所に保管されているからです。
宵山(よいやま)と呼ばれる前夜祭(3日間)は、この町会所が解放され、厄よけの粽(ちまき)や、手ぬぐいなどが販売されます。