京都市東山区 祇園祭_7月31日 疫神社夏越祭 茅輪(ちのわ)と「ちまき」

今回が、いよいよ祇園祭特集の最終回です。
7月28日には、神輿洗いの神事がありますが、写真的には7月10日と同じような画像になってしまうので、泣く泣く省略することにしました。

さて、祇園祭は7月31日をもって終了します。
この日、八坂神社では、夏越祭(なごしまつり)が行われます。夏越祭とは、疫病(えきびょう)などにかからず無事に梅雨をのりきり、またあつい夏も乗り切ることができるよう、悪い厄を払うという神事です。
疫神社祭02

八坂神社の中に、疫神社(えきじんじゃ)という祠(ほこら)があります。普段は、誰も気づかず通り過ぎるような祠です。
疫神社祭03

疫神社祭04

疫神社の鳥居に、大きな輪が造られています。背の高い草である茅(かや)で造られているので茅輪(ちのわ)と呼ばれています。
上賀茂神社などでは、茅輪を、八の字を書くようにくぐり抜けるよう教えられますが、疫神社は両側に柵があるので、八の字に廻れません。

ここに参拝する人たちは、大きな茅輪から、茅を抜いて、小さな輪を造り始めます。
観光客も、見よう見まねで一心不乱に輪を作ります。
疫神社祭06

疫神社祭08

茅(かや)には、災いを遠ざけるという信仰があり、小さな輪を家に持ち帰って厄除にするのです。

祇園祭の山鉾(やまぼこ)の町会所では、厄除の「ちまき」というものが販売されています。
この「ちまき」は、漢字で書くと「粽」ですが、もともとは「茅巻き」につながるといわれています。

祇園祭で販売される、厄除ちまきは、茅(かや)ではなく、熊笹(くまざさ)と藁(わら)で出来ていますが、「茅巻き」なのです。

長刀鉾(なぎなたほこ)の「ちまき」です。
小さく「蘇民将来の子孫なり」と書いてあります。蘇民将来の子孫は、災いに合わないと約束されているのです。
ちまき04

放下鉾(ほうかほこ)の「ちまき」です。
大きく「蘇民将来の子孫なり」と書いてありますね。
ちまき06

山伏山(やまぶしやま)の「ちまき」です。シンプルに「厄除御守」です。
ちまき02

保昌山(ほしょうやま)の「ちまき」です。「縁結び護符」とあります。厄除からプラス思考です。
ちまき05

鈴鹿山(すずかやま)の「ちまき」です。絵馬がついて得した気分です。蘇民将来の子孫なり、安産/厄難消除、雷除(かみなりよけ)、諸願成就。
厄除に一番効力がありそうです。
ちまき01

ちなみに、この「ちまき」は、食べ物ではありません。
分解しても、熊笹と藁(わら)しかでてきませんから。

「ちまき」は自宅やお店の玄関の上にかけておくものです。そうしたら、きっと厄が通り過ぎてくれますよ。
こんな風にです。八坂神社で自作した(と思われる)小さい茅輪(ちのわ)もありますね。
疫神社祭09

祇園祭特集、ひとまずは、ここまでとさせていただきます。

次の京都のテーマは、「五山送り火」に決めました。
理由は、上の玄関の画像で「ちまき」と一緒に写ってる、なにやら白い袋のようなものに関係があります。

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