川端康成の短編小説「伊豆の踊子」で、大学生の主人公が14歳の踊子(薫:かおる)と出会ったのが、この天城山隧道(ずいどう)=旧天城トンネルです。
休日は、観光客で賑わうといわれていますが、訪問した日はウイークデー。
1時間の滞在時間に会ったのは、一組の老夫婦と、1台の車が通り過ぎただけ。
この旧天城トンネルは、伊豆半島を南北に縦断する国道414号線の新天城トンネルに並行して現存しますが、414号線から細い舗装されていない山道に入り、どんどん登らないと行けません。
でも、このトンネルができたおかげで、天城越えが難所でなくなったというのですから、トンネルがなかった頃は、どれだけ不便だったかと思われます。
トンネルの中は真っ暗で、445m先の出口の光が見えます。
カメラの感度をISO6400まで上げてトンネルを通り抜けしました。
ガス灯を模した電球の明かりだけでしたが、目では真っ暗なトンネル内部が鮮明に写っています。
トンネル内で撮影中に、1台の車が通り過ぎましたが、おそらく私に気がついたときはドキッとしたでしょう。
それくらい、孤独な場所です。
トンネル出口(南側:河津町)の出口に近づくとホッとした気持ちになりました。
また一つ、行ってみたいと思っていた場所を歩く事が出来ました。
旧天城トンネルの場所