前回、大宝八幡宮タバンカ祭の開始前の神事をご紹介しました。
今回は、その続きです。
この神社には”願い石”という信仰があり、大小2個の白い石に願い事を書いて、大きな石を神社に納め、小さい方を家に持ち帰るというものです。
神社境内にはいたるところに白い石が積み重ねられています。
さて、
タバンカ祭は、毎年9月12日と14日の夜、が開催されます。
日本の祭りとは思えない外国の祭りのような名称です。
この祭り、騒々しいのです。
この騒々しい音のことををタバンカというのです。
なぜ、騒々しいのか。
昔、この神社が火事になったとき、住民が畳(たたみ)や鍋(なべ)の蓋(ふた)で火消しを行ったときの騒動を再現したものだということです。
火事の時の火消し騒動を祭りにしてしまうのですから、他では聞いたことがありません。
奇祭と呼ばれる所以(ゆえん)です。
夜が更けると、神社楼門(ろうもん)前に多くの人が集まってきます。
多くのと言っても、現在は数百人程度。
ほとんどが地元の方々ばかりです。
数十年前までは、この地方の中でも大きな祭りで、祭りの期間にサーカス小屋があったり、東京から多くの屋台が出店していたそうです。
祭りの進行は、神事のあと、楼門前での焚き火で始まります。
太鼓の音が継続して鳴り続けます。
白装束(しろしょうぞく)の男達が、小さな畳(4名)、木の鍋蓋(なべぶた)(1名)、藁(わら)の松明(たいまつ)(2名)で登場します。
畳や鍋蓋を地面に叩きつけます。
バタン、バタンという騒々しい音が響きます。
あとは、数十分にわたる火祭りです。
藁の松明を持った男達が、観客を追い掛け回します。
昔は、観客が火のついた松明で頭を叩かれ火傷(やけど)したり、地面に叩きつけられた鍋蓋が跳ね返って怪我をしたりしていたそうですが、ご利益(りやく)として文句を言う人はいなかったとのこと。
現在は、いろいろ難しい時代ですから、当時と比べると安全に配慮してくれていると感じます。
ハチャメチャができない→→ 祭り本来の楽しみがなくなる→→ 祭りの衰退 ということは全国の祭り主催者に共通する悩みだと思います。
祭の後半、白装束の男達が仁王門に引き上げると、焚き火の周りに子供達が集まります。
度胸試しの始まりです。
翌日は学校で、度胸試しの話題に花が咲くそうです。
タバンカ祭りの騒々しさを短い動画でどうぞ。
大宝八幡宮の公式ページ
http://www.daiho.or.jp/index.htm
《大宝八幡宮の場所》