前回、京都御所の鬼門(きもん)猿が辻の猿をご紹介しました。
京都御所とは、明治になって天皇が東京に移られるまで、天皇が住まい執務をされていた場所です。
その御所の鬼門である北東の角塀(かどべい)が凹んでいるのは、鬼の角(ツノ)を取るという縁起(えんぎ)によるもので、その角塀の軒下には猿の木彫が置かれ、鬼に強い猿によって災いがサルように願掛けされているわけです。
京都のお人は、それでも鬼が怖かったのでしょう。
鬼除けの仕組みを、二重、三重に造ったのです。
御所の北東方向の比叡山の麓(ふもと)に赤山禅院(せきざんぜんいん)という寺があります。
赤山禅院は、比叡山頂上にある延暦寺の塔頭(たっちゅう=重要な小寺のこと)です。
場所は、修学院離宮の敷地北側に接してあります。
京都市中京区のビル屋上から見た、京都御苑(御所)と比叡山の位置関係。(五山送り火の日に、北東方向を撮影)
この延暦寺の塔頭である赤山禅院には、有名な千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)の修行僧が延暦寺から降ってきて、京都市内を1日で歩いて回る起点となる重要な場所になります。
この赤山禅院の本堂の屋根の上に、金網で囲われた猿の像が置かれています。
理由は、京都御所猿が辻の猿と同じです。
御所の鬼門(きもん)である北東の方角から来る鬼に備えているのです。
こちらの猿も、御所猿が辻の猿同様にお行儀が良くなかったようで、金網に閉じ込められてしまったようです。
赤山禅院の公式サイトに、この猿のことを【皇城表鬼門について】に記載されています。
また、上記に記載した【千日回峰行】についても説明があります。
赤山禅院の公式ページ
http://www.sekizanzenin.com/kimon.html
【赤山禅院の場所】